大人の服装の構成はフォーマル(きれいめ)なアイテムを7割、カジュアルなアイテムを3割にしてコーディネートするといいとよく言われています。
フォーマルなアイテムとは、公的な行事に出席することを意識したコーディネートに使うアイテムのことで、外交や宮中行事といった国家行事やビジネスの場で恥ずかしくない装いをする際に着用するものです。一般的な生活場面でのフォーマルな場と言えば冠婚葬祭やビジネスでの商談・会食でしょうから、礼服やスーツ、それらに合わせることができる靴やバッグ等小物がフォーマルなアイテムになります。
カジュアルなアイテムは家の中や休日に着ているものですね。家族にしか見せないパジャマや遊びに行くときに履くジーンズなど多くのアイテムがカジュアルに属します。
ただし、同じアイテムでも色、素材、シルエットなどの要素でフォーマル・カジュアルの度合いは変わってきます。
例えばセットアップは形だけを見るとビジネス用のスーツとほぼ同じです。しかし素材がウールではなくさらっとした化繊生地であったり、上着には肩パッドや芯地が入ってなくてシワが入りがちだったりと、洋服に詳しくなくても「これにいつものワイシャツとネクタイして革靴履くとちょっと変だよな…」と感じちゃいます。これはセットアップの素材や製法がスーツと異なっているためフォーマル度が少なくなってカジュアル度が多くなったからネクタイなどが合わなくなったからです。
芸人さんが着ている赤いスーツを見れば、それは特殊なステージ衣装であって普通の会社員が仕事で着ることができるものじゃないと判断することも簡単ですよね。
ここでは、アイテムのフォーマル度とカジュアル度を考えるときの基本的な考え方をまとめてみようと思います。
色の影響
色がフォーマル・カジュアル評価に与える度合いは簡単に分かると思います。
黒・グレー・白のモノトーンは礼服の色でありフォーマル度を高めます。同じジーンズでも青より黒・白の方がキレイ目に感じます。また、濃紺や濃茶はフォーマル感を持っています。
また、色そのものの性質ではないですが、一つのアイテムに使われる色が多くなったり柄が多くなると無地のアイテムよりもカジュアル度が高まる傾向があります。
素材の影響
ウール、コットン、リネンなどの天然素材には品質に高低があり、品質が良くなるほどアイテムの上品さが増す要素になります。質の良いウールを使ったスーツは上品な生地艶が出ますし、質の良いコットンで作ったシャツも柔らかくて艶があるものになります。
化学繊維にも品質の高低があり、化繊だから安っぽい生地になるとは限らず、革製品分野でも高級感ある合成皮革があり、天然素材と見分けがつかないものも多くあります。
素材は、品質が良くなればなるほど上品になり、フォーマル度も高まる傾向にあります。なお、上質な素材であっても長く使っていけば経年劣化していきますので、そうなったアイテムのフォーマル度は少なくなっていくと考えられます。
背景の影響
そのアイテムが生まれてきた歴史的・文化的背景も重要です。スーツは歴史的に貴族の衣装が簡素化されて大衆に広まったという背景があるそうで、それゆえビジネスでも用いられるためにアイテム自体のフォーマル度が高いと感じられます。
一方、ジーンズはアメリカ開拓時代の労働者に向けて生まれた背景があるため(生地の厚みや強さも加わって)カジュアル度が高いです。また男性のアイテムには軍服から生まれたものも多く、そういったアイテムは機能性が最重視された設計になっているためカジュアル度が高いものが多いです。
シルエットの影響

身体のラインに沿ったシルエットはフォーマル度を高めますが、男性の場合はあまりにも身体のラインが分かり過ぎるシルエットは下品さが増してしまいます。
シルエットが緩やかになるほど快適さは増しますがカジュアル度は高まります。身体に合っていないダボっとしたスーツを着ているとだらしなく感じられるのはフォーマル度100%でなければならないのにそれが満たされていない状況が生む違和感・ズレで、ビジネス時は着丈・袖丈・裾丈も身幅も着る人の身体に完全に合わせたものを着用しますよね。
まとめ
このように、ファッションアイテムにはフォーマルとカジュアルの比率が決められていくいろいろな要素があり、それらの複合で印象が変化していきます。
ジーンズを履いていたとしても、ダメージ加工の施されたブルージーンズよりはダメージのないホワイトジーンズの方が上品に見えてフォーマル度が高まりますし、破れや汚れが目立つホワイトジーンズよりはダメージ加工のない新品の濃紺ジーンズの方がフォーマル度が高いでしょう。ニットといっても繊維が細いウールで編まれた生地の黒ニットと太番手のコットンで編まれた生地の黒ニットでは見た目の艶感や生地のゴワつき感が全く異なり、フォーマル・カジュアルの度合いはまったく異なります。
アイテムそれぞれのフォーマル・カジュアルの度合いを見ながら全体で7:3の比率でコーディネートできればいいですよね。